2016年05月17日
相続人の一人が、限定承認を認めてくれません。 刈谷
先日亡くなった父の相続について悩んでいます。父の相続財産は不動産や預貯金もある一方、不明な負債もあります。相続人は母と私と弟の三人なのですが、母と私は限定承認をする方向で話をしていますが、弟は単純承認をすると言って変えません。相続人の一人が単純承認を希望しても、他の相続人が限定承認をするということはできますか?
原則、相続人全員の同意が必要です。
限定承認は相続放棄と違い相続人全員が共同で申請しなくてはいけません。相続人のうち一人でも限定承認ではなく単純承認を希望すれば、他の相続人も限定承認の申し立てはできません。しかし、相続人のうち誰かが相続放棄をしており、その人以外が同意すれば、限定承認の申告をすることができます。
しかし、限定承認は相続を受けた人が、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ方法ですので民法上はかなり便利な制度ではありますが、税法上は非常に危険な落とし穴があります。被相続人に対して財産を時価で相続人に渡したとして「みなし譲渡所得課税」がかかります。被相続人に対して、すべての財産を時価で売却し収入があったとみなし、その財産の取得費などを差し引いた所得に対して所得税がかかります。そのため、購入した時より値上がりしている土地や証券という遺産がある場合に限定承認をしてしまうと、被相続人に対して所得税がかかることになります。しかし「みなし譲渡所得課税」は現金に対してはかかりません。
被相続人が明らかにマイナスの財産よりプラスの財産の方を多く持っていれば所得税の分だけ損をすることもあるので、限定承認は乱用すべき制度ではありません。
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司法書士 あいち司法&相続
代表 司法書士 今井 裕司
愛知県刈谷市にある司法書士・行政書士の事務所。年間の相談件数400件の実績がある、経験豊富な事務所。相続に強い専門家が、様々なご相談事に対応してくれる。アットホームな雰囲気でお客様をサポートしてくれる街の法律家。
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2016年05月17日
負債は相続せずに、不動産だけ相続したい。 川崎
同居していた父が亡くなりました。父の相続財産の中に負債が多くあります。負債は承継したくないのですが、同居していた家は引っ越しをしたくないので、自宅不動産のみ相続したいと思っています。その場合「限定承認」という手続きで、不動産のみを相続することはできますか?
残念ながら、それはできません。
限定承認は、亡くなった方の資産の範囲で負債(借金、債務)を弁済する、という手続きです。 残念ながらプラスの財産のみを相続してマイナス財産は放棄するという都合の良い事はできません。負債が多ければ、相続不動産も弁済に充てられる可能性があります。ですが相続財産の中に不動産が含まれている場合、返済に充てるために処分方法は、原則的に競売(裁判所による売却手続き)にかけられますが、限定承認をした相続人には競売が実施される前に優先的に該当する不動産を買い取る権利が与えられます。厳密には、家庭裁判所が選んだ不動産鑑定士の評価に従い、その金額を支払うことで競売の手続きを差し止めてその不動産を取得することができるということです。
この方法であれば、自宅だけは守ることができます。ただ、限定承認は相続放棄と違い、相続人全員が一斉に申し立てる必要があったり、家庭裁判所に申し立てをする期限が相続があったことを知った時から3ヶ月であったりと、手続きの内容が煩雑なので頻用する制度ではありません。ですが負債額が不明である時には有効的な手段です。
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司法書士法人吉岡事務所
代表 司法書士 吉岡 剛
川崎を拠点とし、川崎・横浜・城南地区(東京)をメインに相談にのっている。司法書士事務所として、債務整理から登記、相続手続きまで幅広い相談に対応してくれる。町の法律家として活躍している。
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2016年05月17日
自分の死後、子どもに迷惑をかけたくない。 広島
数年前に夫が先に亡くなり、子ども達は遠方に住んでおり疎遠です。私の死後、なるべく遠方にいる子ども達に迷惑はかけたくないと思っています。
身寄りがない場合、自分が亡くなった後の事務手続きはどうなるのでしょうか?
生前に対策しておきましょう。
身寄りがない方が死亡された場合、市区町村長は法務局長の許可を得て、職権で戸籍に死亡の記載をします。
市区町村が遺体を引き取り、葬儀・火葬・納骨します。これらの費用は死亡者の遺留金品等を充当し、不足する部分は市が立て替え、最終的に県が負担します。逆に残余金が生じる場合は国庫に帰属されます。 親族が遠方にいて手続きが行えない場合や身寄りがない場合に、生前に自分が亡くなった後の事務を自分以外の第三者に委任する「死後事務委任契約」という契約を結ぶことができます。生前に第三者と死後事務委任契約を結んでおけば、死後の葬儀・納骨・埋葬に関する事や行政官庁等への届事務等詳細まで取り決めておくこともできます。
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アイエフ行政書士事務所
代表 行政書士 森井 浩之
広島市南区にある相続・遺言・離婚業務を専門としている行政書士事務所。相続を円満に解決するため、日々相談者様の話に親身に向き合っている。
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2016年05月17日
死後の事務手続きは、何から始めたらいいでしょうか? 浜松
死後の事務手続きは、何から始めるべきなのかよくわかりません。何から始めたらいいのでしょうか?
死後の事務手続き、まずは「基本」をおさえましょう。
死後の事務手続きは、死亡届の提出から、カード類の解約まで多岐に渡ります。死亡後の事務手続きは大きくを「基本手続き」、「やめる手続き」、「もらう手続き」「引き継ぐ手続き」の4つに分かれます。
まず「基本手続き」では、死亡した日から7日以内に死亡届を提出しなければなりません。これには医師による死亡診断書(警察による死体検案書)、届出人の印鑑と合わせて提出します。また死亡届の提出と共に死体火・埋葬許可申請をしなければなりません。埋葬許可が下りなければお葬式を執り行うことができません。次に死亡後14日以内に、介護保険の資格喪失届、住民票の抹消届、世帯主の変更届を行います。これらは主に死亡した場所、本籍・住所地のいずれかの市区町村役場に提出しなければなりません。それとあわせて年金受給の停止・未支給年金の請求を年金事務所にします。また被保険者証を国民健康保険・後期高齢者医療では、市町村役場、被用者の健康保険では健康保険組合又は全国健康保険協会へ返納します。ここまでが基本手続きです。
「やめる手続き」においてはクレジットジカードの解約や電気・ガス水道・NHK・インターネットなどの利用停止をします。「もらう手続き」においては生命保険金の請求や埋葬料の請求等、「引き継ぐ手続き」は賃貸住宅や固定資産税・都市計画税等の承継があります。
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浜松国際行政書士法人南事務所
代表 行政書士 鈴木 正章
静岡県浜松市において、輸出管理、相続遺言手続き、在留資格やその他各種許認可申請までと幅広くサポートしてくれる。出張相談にも対応して、地域の法律家として活躍している。
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2016年05月17日
生前贈与された財産も、相続税がかかることがある?(和歌山)
先日父が亡くなり、残された母と弟と自分の3人で遺産分割をすることになりました。父から私は相続税対策になるからという理由で、贈与税の基礎控除額以内で毎年財産を贈与を受けていました。ですが、生前贈与された財産も相続税がかかることがあると聞きました。どういうことでしょうか?(和歌山)
過去3年以内の相続人への贈与は持ち戻しの対象となります
相続税対策をする上で、連年贈与はとても有効的な方法です。しかし相続開始前3年以内の相続人に対する贈与については、贈与税を払っていても払っていなくても、相続税の課税対象として加算することになっています。
土地のように不動産登記により所有権移転が明確に完了している財産についても、例外ではありません。贈与税の支払いがあった場合には、相続税より差し引くことにより調整します。
相続開始前の3年以内の贈与は相続税の対象となりますが、全てが贈与の対象となるわけではありません。
贈与の特例で、生前贈与の加算対象とならないケースもあります。贈与の日において婚姻期間が20年以上である配偶者から、居住用不動産を取得するための金銭の贈与を受けた場合、相続開始前3年以内の贈与であっても、この2000万円部分に対しては贈与税もされません。
生前贈与に関する税務については、判断が難しい点が多くあります。和歌山県内の相続税申告や生前対策なら、お気軽にご相談ください。
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税理士法人風神会計事務所
代表 税理士 風神 正典
和歌山に事務所を構え、医療介護、農業、相続手続き、財務会計等の分野でのコンサルティングを展開。経営者向けの無料相談会なども開催し、幅広いお客様の問題解決を支援している。
運営サイト:税理士法人風神会計事務所
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