2017年02月21日
Q:亡くなった父の相続財産を後妻が管理し開示してくれないのですが(東京)
数年前に母と離婚した父が亡くなり相続が発生しましたが、父の後妻が相続財産はないと言ってきます。
私には、後妻が財産を独り占めするための嘘ではないかと、とても疑っています。強制的に開示させることは出来るのでしょうか。
A:相続人は財産の開示を請求することができます。
相続人には被相続人の財産の開示を請求する事ができますので、お父様が取引していた金融機関へと遺産の開示請求をし財産の内容を確認するとよいでしょう。
遺産分割をするためには、相続人全員での協議が必要となります。このまま開示せず、相続人同士での協議が進まない場合には遺産分割調停の申し立てを家庭裁判所へと行う事になります。遺産分割調停となりましたら、その後は裁判所が選任した調停委員が間に入り話し合いを進めることになります。ただし、調停委員が財産を開示するように提案しても、その発言に強制力はなく、また裁判所も基本的に財産調査はしません。
したがって、原則として、やはり相続人側で財産調査をする必要があります。
話し合いが円滑に進まない可能性がある場合は、お早めに専門家へと相談されることをおすすめいたします。
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2017年02月21日
Q:長年介護をしてきた母の遺産分割で寄与分を認めてほしい(東京)
病床で寝たきりの母の介護を10年間続けてきました。最後の方は認知症も併発し厳しい介護でしたが、生前の母の意向もあり、施設や介護ヘルパーには預けず私がつきっきりで介護を続けてきました。そのため、死後もある程度母の資産が残り、兄弟で遺産分割することになったのですが、法定相続分に従うと、母の介護には全くノータッチだった他の兄弟と私の取得金額が同じになってしまいます。介護のため、自分の資産を満足に築く就労時間も無く、その分を考えても他の兄弟と同じ法定相続分では納得が出来ないのですが、法的に主張することは出来るのでしょうか。
A:寄与分として主張することができる可能性があります。
この場合は、特別な寄与となる療養看護をしたと考えられることから、「寄与分」として主張することができる可能性があります。
寄与分として認められるかどうか、また、認められるとしてそれがどれくらいかなどは、貢献した行為がどの程度のもので、どのくらいの期間に渡って行われていたか等、様々な要因を考慮して決められますので、一概に判断基準の例を出すことは困難です。
なお、遺産分割協議では相続人全員の同意が必要となるため、遺産分割協議の中で寄与分の主張しても、相続人全員が同意しなければ遺産分割協議の内容となりません。寄与分について、協議の中で他の相続人の同意が得られない場合は、家庭裁判所に調停等の申立てを行うことになります。寄与分が認められるということは、他の方の相続分が減らされることにもなりますので、寄与分の主張からトラブルに発展する可能性も高く、まずは専門家に詳細をご相談いただくことをお勧めいたします。
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2017年02月21日
Q:財産が不動産しかなく、そこに住んでいた姉が相続したいと言っています。代償金の請求は可能ですか(東京)
父が亡くなり、相続財産に預貯金はほとんどないため、姉妹3人で父名義の土地と家屋を相続することになります。
しかし、長女夫婦が長年父と同居してそこに暮らしているため、残された土地と家屋は、姉夫婦らが相続したいと言っています。私と妹の取り分が全く無く、姉夫婦は土地家屋を取得できるのかと考えると不平等に思えるのですが、致し方ないでしょうか?
A:代償金を請求することができます。
相続財産の多くを不動産が占める場合、単純に遺産分割するのは大変困難です。不動産を売却できれば、換価分割として売却した金額を公平に相続人に分配することができますが、ご相談者様の場合は、お姉様の事情から売却に同意をいただくのは難しいように思われます。 そこで、お姉様が土地家屋を相続される代わりに、相談者様に代償金を支払ってもらう「代償分割」という方法で、遺産分割に公平性を持たせることができます。
しかし、代償分割の場合、代償金を受け取る側の方は、受け取った代償金の中から相続税を支払えば良いので手出しの負担はありませんが、代償金を支払う側の方は、支払う代償金に加え、相続した財産にかかる相続税の支払いもあり大きな負担となってきます。
代償分割は、遺産を相続される方に金銭的な余裕があれば、相続人全員で平等に不動産の遺産分割ができる手法ですが、代償金を支払う方の金銭状況をよく確認することが重要です。代償金を請求する前に、まずは、専門家にご相談いただき、アドバイスを受けられることをお勧め致します。
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2017年02月21日
Q:推定相続人から廃除された場合、遺留分の請求はできますか?(東京)
母の相続手続きが終わり、自身の手続きについても考えるようになりました。
私が亡くなった場合、相続人になるのは夫と子ども達だと思いますが、長男は昔から素行が悪く大変な苦労をしてきました。
今では年に1回程度しか顔を合わせることはありませんが、長男には散々嫌な思いをさせられたので私の財産は長男に渡したくないと考えています。
財産を相続させたくない相続人がいる場合に、廃除できる制度があると聞いたことがありますが、もし廃除された相続人が遺留分を請求してきた場合は、やはり最低限の財産を相続をしなければいけないのでしょうか。
A:被相続人は、推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができます。
被相続人は、推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができ、廃除が認められれば相続人からの遺留分減殺請求も認められないことになります。これは、推定相続人の廃除が、相続人としての資格を奪うという制度であり、廃除がされた場合には、遺留分も無くなるためです。
なお、相続財産を渡したくない相続人がいる場合には、遺言書を作成して相続させる財産や相続人を指定することで特定の相続人に財産が渡らないようにする方法を執ることも可能ですが、この場合、遺留分までは奪うことができない点に注意が必要です。
推定相続人の廃除は、相続人としての資格を失わせるものですから、廃除される者にとっては非常に大きな影響があります。このため、法律で定められた廃除事由を満たしていなければ、家庭裁判所が請求を認めることはありません。
廃除の請求をすべきか、廃除事由に当たるか否かの判断は専門的な法律判断を伴うことになりますので、専門の法律家にご相談ください。
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2016年12月08日
Q:兄が結婚した際に父から援助された自宅の購入資金は特別受益になりますか?(東京)
父が亡くなり、母と兄弟2人の3人が相続人として遺産を受け取ることになりましたが、兄は過去に、結婚した際の自宅の購入資金として多額の贈与を父から受けています。私は独身のため、特に贈与を受ける機会がなかったのですが、兄が贈与を受けた分は遺産分割の際に考慮してもらうことは出来ないのでしょうか?
特別受益となります。
このような場合、お兄様が受け取られている贈与は「特別受益」となるので、遺産分割の際に、贈与相当額を相続財産に加えた上で、お兄様の相続財産から贈与相当額が控除されることになります。
例えば、お兄様が500万円の贈与を受けており、お父様の遺産が3000万円だった場合、本来の相続財産に特別受益分の500万円を加算した3500万円を、お母さまとご兄弟様で分割することになります。
これを計算すると、お母様の相続分が2分の1の1750万円、相談者様とお兄様の相続分が4分の1の875万円ずつとなります。そして、お兄様に関しては、生前受け取っていた500万円が、この875万円から差し引かれる形になり、お兄様の最終的な相続分は375万円となります。
ただし、お兄様がお父様に対して何か特別な働きをされていた事情がある場合(例えば、退職など金銭的な不利益を被りながら介護に尽力した等)は、それが寄与分として扱われる場合もあり、主張が対立することもあります。ご家庭の様々な状況により判断が変わってまいりますので、まずは専門家に詳しくご相談されることをお勧めいたします。
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2016年11月24日
遺産分割がまとまらない場合でも、相続税申告は必要ですか?(千葉)
父が亡くなり、相続が発生していますが、私と姉は非常に関係性が悪く、10年以上も連絡を取っていません。母は既に他界しており、姉が父の財産管理をしていたので財産状況も分かりませんし、そもそも遺産分割がまとまるとは到底思えません。こうした場合で、相続することが出来ていなくても相続税は必要ですか?(千葉・市川)
遺産分割がまとまらない場合でも、相続税申告は必要です(千葉)
現在は、基礎控除3000万円+法定相続人の人数×600万円までが税金のかからない財産額となります。
例としては相続人が2名の場合、基礎控除額の3000万円+(相続人2名×600万円)=4200万円となりますので、財産額が4200万円までならば税金はかかりません。4200万円を超えた部分に相続税が発生します。
基礎控除額に届かなければ相続税の支払いは必要はありませんが、基礎控除を超える場合は、遺産分割がまとまらない場合でもきちんと期限内に申告をする必要があります。国税庁の調査によると、2013年において相続税の課税件数は4%ほどとなっています。2015年1月以降発生の相続は基礎控除額の変更により課税される方は増えることが予測されています。財産には相続税が「かかる」「かからない」財産の別があり、また、亡くなった方(被相続人)に借金があれば、相続財産から差し引いて検討することが必要であるなど、個々の状況によって、検討するべき点が多々あります。
亡くなったお父様と同居されていた姉が、財産管理をしていて全体像が分からなかったとしても、基礎控除を超える財産がある場合には相続税申告が必要になります。こうした「相続」問題は、弁護士などの専門家にご相談されることをお勧めいたします。
また千葉県内の相続税申告は、私どもの協力先の税理士と連携して行う事が可能ですので、お気軽にご相談ください。
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弁護士法人リーガルプラス
代表 弁護士 谷 靖介
千葉県内の市川、津田沼、成田、鹿島に事務所を構える弁護士法人。遺産分割交渉や遺産分割の調停など、幅広い分野のご相談に対応する事が可能。
運営サイト:弁護士法人リーガルプラス
2016年10月28日
財産を隠されているのではないか・・・(京都)
亡くなった母の預金について、同居していた兄夫婦が無いと言い張っています。通帳すら見せてもらえません。私も母も京都に住んでいましたが、一緒に暮らしていませんでした。しかし、母の生前に預金がある話や、その預金を預けている銀行についても話を聞いていたので、本当は預金があるのに兄夫婦が独占するために隠しているのではないかと疑ってしまいます。ただ、兄夫婦は預金が無いと主張しているので何度も聞くのも気が引けます。家族みんなが納得した内容で相続がしたいのですが、兄夫婦の主張か本当なのか嘘なのか確認する方法はありますか?
財産調査をしましょう!
相続人は、被相続人の相続財産について調べる事ができます。すなわちご相談者様は亡くなったお母様の相続財産について知らべることが可能です。これを財産調査といい、被相続人名義の不動産や金融資産について、どこに、どのくらいあるのかを調べる事を指します。
お母様の預金について調べたい場合は、生前にお母様が預金を預けているとお話されていた金融機関へ出向き、残高証明書等を取得する事をお勧めいたします。必要な書類や手続き方法は各金融機関のHPで確認するか、直接金融機関の窓口で確認してみましょう。
京都での財産調査はお任せください。ご家族が納得いくような内容で相続をするためのお手伝いを親身にさせていただきます。
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アイワ行政書士法務事務所
代表行政書士 西村 泰昭
京都市左京区の行政書士。地域に密着し、親身な対応でお客様から厚い信頼を寄せられる街の法律家。
運営サイト:アイワ行政書士法務事務所
2016年10月27日
相続人の中に、長年行方のわからない親族がいます。(新潟)
相続が発生したので相続人となる親族へ連絡をしていたのですが、そのうちの1人に数十年間連絡も取っておらず、どこにいるのかわからない人がいます。他の親族に聞いてみたところ、噂によると新潟のどこかにいるようですが、真相はわからないようです。この場合に相続手続きを進めるうえで注意すべき点はあるのでしょうか?
失踪宣告の申し立てをする必要があります。
行方不明であっても相続人という立場は変わりませんので、その相続人を抜いて遺産分割協議を進めることはできません。
その方と連絡が取れずに行方が分からなくなってしまってから7年以上経過している場合は、家庭裁判所へ失踪宣告の申立を行う必要があります。この失踪宣告を受けた人物は、法律上死亡したものとされます。そのため、失踪宣告を受けた人に子どもがいる場合はその子供が相続人となります。なお、失踪宣告は申し立てをしてから一年ほど時間がかかりますので注意しましょう。
余談ですが、行方のわからない相続人が事前にいるとわかっている場合には、生前対策として遺言書を作成することが有効です。遺言書があれば原則は遺産分割協議の必要がありませんので、スムーズに手続きを進める事ができます。
相続手続きでお悩みのことがあれば、司法書士法人新潟合同事務所へご相談ください。きっとお役に立てます。
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司法書士法人新潟合同事務所
代表司法書士 徳本 好彦
新潟県新潟市の司法書士法人。気さくな人柄で親しみやすいスタッフが多く、明るく丁寧な対応で相談しやすいと好評を得ている。地域の方々のお役に立つため日々精力的に活動している。
運営サイト:司法書士法人新潟合同事務所
2016年05月14日
相続人の父が認知症です、遺産分割の方針は私が決めていいのでしょうか? 岐阜
以前に母が亡くなりました。相続人は、夫である私の父と私です。遺産分割を行いたいのですが、父が認知症です。このまま遺産分割協議をおこなってもよいのでしょうか?
特別代理人を選定し、遺産分割を行う必要があります。
認知症であり「判断能力を欠いている」と見なされている場合、法律行為である遺産分割を行うことができません。そのため、相続人に認知症の人がいる場合、「成年後見制度」を利用し、お父様に後見人をつけて遺産分割を行うこととなります。
この後見人は、お父様の子である相談者様はなれません。なぜなら、お父様と相談者様はどちらも相続人ですので、お互いの利益が衝突します。このような事態においては、認知症のお父様の権利を守るために特別代理人を選任する必要があります。
このように複雑なケースはとても個人で対応しきれない部分が多いので専門家に相談することをお薦めします。
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2016年05月14日
遺産分割が上手くいかず、弟との関係が悪くなってしまいました。 富士市
数年前に父が亡くなり、長男である私と弟で遺産分割を行いました。財産は、預貯金が少しと、父と私が同居していた土地と家屋がありました。
私の最初の意向としては、長年父と同居していた土地と家屋には、今も私が住んでいるので、私が相続し、預貯金を弟に全て相続させたいと考えていました。しかし弟は、兄である私と同じ割合での相続権があるのに、なぜ少ない預貯金だけなのかということで不満があるようでしたので、概ね割合が等しくなるよう、土地と家屋を弟と共有名義にし遺産分割を行いました。
しかし今になって、弟が土地と家屋を売りたいと言ってきましたが、今も私はこの土地と家屋に住んでおり、売却は困りますので弟の持分を買い取る形になりました。当然弟とは仲が悪くなりました。いい解決策はあったのでしょうか?
相続トラブルは珍しくありません。遺言書で対策を!
まさか自分たちがこのような財産トラブルに巻き込まれるとは、誰もが予期することができないと思われます。自分たちの家族はみんな仲がいいので、相続が発生してももめ事は起きないと思われている方々も多くいらっしゃいます。
しかし、実際は違います。財産を分割しますので、なにかしら各人思われるところはあるでしょう。不公平だと思う人からは当然文句も出できます。このように、相続が開始してからもめ事が起こるケースは珍しくありません。
もめ事がおきて、ご家族の仲が悪くなってしまうことを防ぐためにも、財産の分け方について遺言書にてあらかじめ準備しておくのがよいかと思われます。もしもご相談者様のお父様が、事前に相続トラブルを予期して分割方針を遺言書にて記載しておけば分割協議もスムーズに進み、弟様とのトラブルは避けられたかもしれません。
仲のいい家族でい続けるためにも、もしもの時についての話が前もって家族でできていればよかったですね。
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くりくり行政書士事務所
代表 行政書士 栗田 亜希子
富士市に事務所をおき、富士を中心に静岡県全域に対応している。相続手続きを中心に、遺言書作成のお手伝いまで迅速、丁寧に、お客様をサポートしている。
運営サイト:くりくり行政書士事務所
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