相続人について
誰がどれだけ相続できるのか、法定相続の割合は法律で決まっていますが、もちろん、協議分割で話し合いによって分割割合を
決める事も可能です。
しかしながら、最近は法定相続分を意識した遺産分割を進めていかなくてはトラブルになるケースが非常に多くなっています。
最低限、法律上どうなっているのかは把握する必要があります。
法定相続人になれば、誰でも財産を相続できるわけではありません。
相続欠落と言い、権利を失うことがあります。例えば、被相続人や優先順位の高い被相続人を遺産目的に殺害してしまった場合や、遺言書を偽造した場合には、相続権をはく奪されます。
相続欠落となった推定相続人は、本来であれば相続される予定であった不動産登記や預金などの相続手続をしても、ほかの相続人が無効を主張できます。なお、相続欠落については手続の必要がありません。
その一方家庭裁判所に申立てすることにより、相続財産を引継ぐことを拒否する相続放棄を行うことができます。これはプラスの財産よりマイナスの財産が多いときに行われるのが一般的です。
しかし現実にはプラスの財産とマイナスの財産がどこにどれだけあるのか、それらすべてを正確に把握することは容易であるとは言えません。また、遺産のすべてが必ずしも自分の将来にプラスとなるか判断するのも簡単ではないのです。
そのため遺産の整理とともに相続するか否かの決断は、慎重に行う必要があります。
相続人になれない人
次のような人は相続欠格となり、相続の権利がなくなります。
- 遺産目当てに、被相続人を殺害したり、殺害しようとした人
- 遺産目当てに、相続順位が上位の人や、同順位の相続人を殺害したり、殺害しようとした人
- 被相続人が殺害されたことを知っているのに、告訴・告発しなかった人
- 被相続人が遺言をしたり、遺言書の変更や取り消しをしたりするのを妨害した人
- 被相続人をだましたり脅したりして、遺言書の内容に関与した人
- 遺言書を偽造・変造した人
- 遺言書を破棄したり、隠したりした人
次のようなケースには、被相続人の意思により、遺言に記すか家庭裁判所に申請することで相続人から相続の権利をはく奪できます。
- 被相続人を虐待していた人
- 被相続人に重大な侮辱を与えた人
- 著しい非行があった人